以前の日記で、「『全国非破壊検査協会連合会』という組織の人と話す機会があったので、そのことについて書きます」と言っていました。
言ってはみたものの、「そんなに需要はないだろうなぁ…」と思いながら今日まで過ごしていました。
しかし!!
先日、目にしてしまったんですよ。
『全国非破壊検査協会連合会』の活動をしてそうな人たちを!
私としては「そんな話には乗る人なんていないだろう。」と一笑に付すくらいの儲け話だったのですが、それを信じる人もいるんだと思うと、やはり一度『全国非破壊検査協会連合会』について書いておいた方がいいなと思ったので書くことにした次第です。
- そもそも「非破壊検査」とは!?
- 『全国非破壊検査協会連合会』ってどんな組織なの?
- 『全国非破壊検査協会連合会』の組織体系は??
- 市の支部長になるメリットとは?
- 『全国非破壊検査協会連合会』の事業モデルとは?
- 『全国非破壊検査協会連合会』に疑問をぶつけてみた。
- Q:検査する電柱に指定はあるの?
- Q:検査する電柱の指定がないならば、同じ電柱を何度検査してもいいの?
- Q:電柱の検査数にノルマはあるの? 逆に、検査数の上限はあるの?
- Q:既存の電柱も電力会社やNTTが検査しているので、『全国非破壊検査協会連合会』がわざわざ検査をする必要はないのでは?
- Q:検査費用が税金で支払われる以上は経済産業省の予算にも限界があるし、「やればやるだけお金がもらえる」なんてモデルが許されるほど会計管理は甘くないと思うが…
- Q:あなたは何故『全国非破壊検査協会連合会』の活動に参加しようと思ったのか?
- Q:事業モデルではなく、理事長の人柄に惹かれたのが大きな要因?
- Q:検査費用の財源にしろ、公益社団法人の認可がおりないことにしろ、『全国非破壊検査協会連合会』は色々な課題を抱えていると思うが、あなたは『全国非破壊検査協会連合会』のどこに将来性を感じているのか?
- Q:肝心の経済産業省のホームページには「『全国非破壊検査協会連合会』と経済産業省は一切関わりがない」と書かれているが…?
- Q:誰が一体何のために妨害工作を?
- Q:私には『全国非破壊検査協会連合会』の事業がうまくいくとは思えず、正直いって詐欺やネズミ講の部類ではと思える。
- 『全国非破壊検査協会連合会』のまとめ
そもそも「非破壊検査」とは!?
「非破壊検査」というのは、機械の部品やコンクリート建造物等の内部の傷を、その対象を破壊することなく検出する技術のことになります。
一般的に行われてるのは、放射線や超音波を入射したり、電流を流したりする方法です。
『全国非破壊検査協会連合会』ってどんな組織なの?
『全国非破壊検査協会連合会』の主な事業は、日本全国に存在する電柱の検査です。
日本に住んでいれば、至るところで目にする電柱。
その管理は主に電柱を建てた事業者などが管理していると思いますが、それら電柱に「目に見えない傷」が入っていないかどうかを検査するのが『全国非破壊検査協会連合会』の主な仕事になります。
ちなみに、2018年の国土交通省の調べでは日本全国には約3,592万本の電柱が存在します。
『全国非破壊検査協会連合会』の組織体系は??
私が聞いた話では、『全国非破壊検査協会連合会』の本部は奈良県にあるそうです。
各都道府県には「県支部」というものがあり、それを統括するのが支部長です。
各都道府県の支部長になる条件は、「本部に対して入会金400万円を納める」、ただそれだけ。
分かりやすくていいですね。
入会金400万円を納めさえすれば複数の都道府県の支部長になることも出来るそうで、私が話を伺った人は二県の支部長を兼任しておられました。
ちなみに、各都道府県の支部長ポストは既に埋まってしまっているそうで、これから各都道府県の支部長を狙うことはほぼ不可能な状態になっています。
でも、安心してください。
各都道府県の支部長になれなかったとしても、各都道府県下には市単位の支部があるんです。
市の支部長になる条件も、至って明瞭。
なんと、各都道府県の支部長に対して入会金150万円を支払うだけ!
分かりやすくていいでしょう?
もちろん、各都道県の支部長と同じく、お金を積みさえすれば複数の市の支部長を兼任することだって出来ます。
各都道府県の支部長ポストは埋まってしまっているため、これから『全国非破壊検査協会連合会』の活動に参加しようとする人は、この「市の支部長」のポストを狙うことになります。
ちなみに、市の支部長が各都道府県の支部長に支払った入会金150万円は、『全国非破壊検査協会連合会』の本部と各都道府県の支部長で折半することになっています。
市の支部長になるメリットとは?
もしかしたら、「市の支部長になったからといって、それが何なの!?」と思っている人もいるかもしれませんね。
市の支部長になると、『全国非破壊検査協会連合会』が行う電柱の検査について、その市(行政区)の検査を一手に担うことが出来るようになるのです。
検査で使うのは約300万円もする高価な機械ですが、使い方は簡単で専門的な知識も不要。
どんどん電柱の非破壊検査をすれば、すぐに高価な機械分の元はとれてしまいます。
『全国非破壊検査協会連合会』の事業モデルとは?
『全国非破壊検査協会連合会』は、全国に存在する電柱の非破壊検査を行うことを主な事業としています。
「じゃあ、その検査にかかった費用はどこから支出されるの?」と思いますよね。
電力会社?
それともNTT?
違います。
費用は国から支出されます。
現在、『全国非破壊検査協会連合会』は「公益財団法人」としての認可を目指しています。
「公益財団法人」になると、どうなるのか?
『全国非破壊検査協会連合会』が「公益財団法人」として認可されれば、経済産業省から電柱の検査費用が出るようになるのです。
ちなみに、「公益財団法人」とは、一般財団法人のうち、公益認定の基準(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条)を満たしたものをいいます。
また、「一般財団法人」とは、一定の手続き及び登記さえ経れば、主務官庁の許可を得ることなく、誰でも設立することが出来ます。
話を戻します。
『全国非破壊検査協会連合会』が「公益財団法人」として認められれば、電柱の検査にかかった費用は経済産業省、つまり日本政府が支払うようになります。
その費用は、電柱1本あたり27,000円!!
経済産業省から支払われた27,000円のうち、13,000円が本部に、4,000円が県の支部長に、残りの10,000円が実際に検査を行った市の支部長の懐に入るようになります。
電柱1本あたり27,000円。
日本には約3,592万本の電柱があるので、単純計算すると約9,700億円ものお金が電柱の検査費用として使われることになります。
ちなみに、2020年度の日本の国家予算は102兆6580億円で、経済産業省の当初予算は1.3兆円でした。
つまり、経済産業省は予算の大半を電柱の検査費用につぎ込むことになるんですね。
それでいいのか?経済産業省!!
コロナ禍で大変な折、そんな金銭的余裕が日本政府にあることに驚きですね!!
『全国非破壊検査協会連合会』に疑問をぶつけてみた。
コロナ禍で収入が減っている人にとっては、電柱の簡単な検査をするだけで高収入が見込めるというのは、本当にありがたい話ですよね。
そこで、私が疑問に思ったことについて、複数県の支部長を務めている人に答えてもらいました。
Q:検査する電柱に指定はあるの?
A:特に指定はなく、担当する市の電柱ならば、どの電柱でもよい。
検査を委託する経済産業省からも、検査する電柱の指定はない。
電柱番号が分かり、検査結果が保全されているならば問題はない。
Q:検査する電柱の指定がないならば、同じ電柱を何度検査してもいいの?
A:それは構わないが、そんなことをするか否かは検査者の良心に任せている。
Q:電柱の検査数にノルマはあるの? 逆に、検査数の上限はあるの?
A:検査数にノルマはないが、「電柱は5年に1回は検査が必要」となっているので、5年間で受持地区の電柱検査が一巡するくらいにしてほしい。
また、検査数の上限はないため、どんどん電柱の検査を頑張れば、その分だけ報酬はアップします!!
Q:既存の電柱も電力会社やNTTが検査しているので、『全国非破壊検査協会連合会』がわざわざ検査をする必要はないのでは?
A:たとえ電力会社等と同じ電柱を検査することになっても、報酬は間違いなく支払われるようなっている。
そもそも、電力会社等が行う検査は地表から30センチメートル以上の部分の検査となっており、『全国非破壊検査協会連合会』が行う検査は地表から30センチメートルまでの部分の検査である。
Q:検査費用が税金で支払われる以上は経済産業省の予算にも限界があるし、「やればやるだけお金がもらえる」なんてモデルが許されるほど会計管理は甘くないと思うが…
A:私も詳しいことは分からない。
ただ、私は理事長を信じている。
Q:あなたは何故『全国非破壊検査協会連合会』の活動に参加しようと思ったのか?
A:私自身、最初は「怪しいな」と思っていた。
しかし、名前を出すことは出来ないが、他の都道府県では「誰もが名前を知っている凄い人」も支部長をしていると教えてもらった。
私も、何度も理事長の話を聞いているうちに、その人柄や考え方に共感するようになり、この人のことを信じてみようと思うようになった。
Q:事業モデルではなく、理事長の人柄に惹かれたのが大きな要因?
A:人によっては、理事長のことを悪くいう心無い人もいるが、私は理事長のことを信じている。
Q:検査費用の財源にしろ、公益社団法人の認可がおりないことにしろ、『全国非破壊検査協会連合会』は色々な課題を抱えていると思うが、あなたは『全国非破壊検査協会連合会』のどこに将来性を感じているのか?
A:理事長は本当に素晴らしい人。
社会的弱者を救いたいといった行動理念は本当に素晴らしく、それ故、私はこの人に賭けてみようと思った。
Q:肝心の経済産業省のホームページには「『全国非破壊検査協会連合会』と経済産業省は一切関わりがない」と書かれているが…?

A:公益法人化は確実に進めている。
経済産業省のホームページに書かれていることは、『全国非破壊検査協会連合会』への妨害工作である。
Q:誰が一体何のために妨害工作を?
A:誰が妨害工作を行っているのかは分からない。
ただ、官僚のOB等を通じて経済産業省に働きかけを行っているのは事実であり、先程も言ったとおり、公益財団法人化の話は進めている。
Q:私には『全国非破壊検査協会連合会』の事業がうまくいくとは思えず、正直いって詐欺やネズミ講の部類ではと思える。
A:人によって捉え方が変わるのは仕方ないと思っている。
実際、私自身も最初は『全国非破壊検査協会連合会』の活動を疑っていた。
私は、理事長のことを信じて今後も活動を続けていくだけだ。
『全国非破壊検査協会連合会』のまとめ
電柱の非破壊検査をするだけで、手取り1万円。
検査自体は20分もかからないので、時給換算すれば時給3万円以上は確実。
私が話を聞いた県の支部長が語る事業モデルが成立するのであれば副業としてもオイシイ話だと思いますが…
私が話を聞いたのが昨年の11月頃の話で、当時から現時点まで経済産業省のホームページには一切変化がないことを考えると、自ずと『全国非破壊検査協会連合会』がどんな組織なのかは判断できるのかと。
私個人的には、『全国非破壊検査協会連合会』案件はナシの部類です。
が、先日見かけた人たち。
カジュアルな服を着て、機械を手に持ち電柱の付近をウロウロしていた人たちにとっては、『全国非破壊検査協会連合会』の話は魅力的な案件に思えたんだろうなぁ。
うーん。
私には全く分かりません。