こんにちは! ゴリップル(@5ripple)です!
みなさんは”投資”という言葉を聞いてどう思いますか?
私の職場では”投資”というものに対する拒絶反応が凄く、iDeCoの話をしただけで「あいつは怪しいことに手を出し始めた!」と言われる始末。
そういう意味では、”投資”というのはまだまだ馴染みのないものなのかなぁと思います。
辞書で”投資”という言葉を引くと「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力を注ぎ込むこと。」と出てきます。
将来を見込んで、持てる資産を投下するのが投資の本質といったところでしょうか。
私の職場では”(現在の)自分への投資”は好んで行われますが、”未来(の自分)への投資”は殆ど行われていません。
ですが、これからは確実に”未来への投資”が必要な時代が来ます。
しかも、将来の自分を豊かにするためでなく、将来貧困に陥らないために、です。
今日は、若者こそが知っておくべき”投資”の重要性についてお話します。
・昔と現在では時代背景が異なる
・銀行にお金を預けていても”減る”時代
・投資において、”時間”は若者が使える最大の武器
時代背景の変化
一昔前までは「生涯賃金3億円」と言われていましたが、今では「生涯賃金は2億円」とも言われています。
見込み収入だけで一億円の減少。
物価自体は徐々に上がってきていますし、社会保障費の増大、消費税の増税など、現役世代が自由に使うことが出来るお金は確実に少なくなっています。
2018年5月5日の朝日新聞のコラムで「お金の若者離れ」という意見が載っていましたが、まさにその通り。
難しいことを考えなくても給料が増えていって、お金の運用をしなくても人並みの生活を送ることが出来た”親世代”とは、お金に対する考え方を根本から変えなければいけません。
昔の価値観を押し付けられ、それに従っていたのでは破産するのは目に見えています。
銀行にお金を預けていると、何故お金が”減る”のか
それでは、銀行にお金を預けていると何故お金が”減る”のかを順を追って説明します。
「お金が減るのは、コンビニATMでお金を引き出すと手数料が取られるから!」とか、そんな話ではありません(笑)
銀行金利の変遷
まず一番大きな原因は銀行の金利の変化です。
今、銀行の金利がどのくらいかご存知ですか?
私がメインで使っている『福岡銀行』では、2018年5月現在、普通預金口座の金利が0.001%、最も利率の良い『スーパー定期300』という商品の10年でも0.05%です。
1億円の預金があったとして、普通口座では一年間の利息が1,000円しかなく、『スーパー定期300』でも10年後に受け取れる利子は500,410円しかありません(実際には利子にも税金がかかりますので、受取額はこれよりも低くなります)。
一方、今から約30年前の1990年ころは普通預金の口座でも金利が2%を超え、定期預金の預金金利は6%を超える商品もザラにありました。
1億円を普通口座に預けていれば一年間の利息が2,000,000円(!)、10年の定期に預けていれば預金利息だけで60,049,315円(!!!)になる計算です。
まさに、昔は何もしなくても”お金がお金を稼いでくる”時代だったわけです。
ですので、昔は銀行にお金を預けることにも意味があったのでしょう。
しかし、先ほどもお話ししたとおり今では歴史的な低金利となっています。
また、今後も金利が上昇する見込みが少ないことからも、銀行に預けておくことは”お金を眠らせる”ことになってしまいます。
銀行にお金を預けていて”減る”理由
先ほど、銀行にお金を預けておくことを”眠らせる”と表現しましたが、実際には”腐らせる”と言っても良いかもしれません。
もちろん、使う予定のあるお金を銀行に預けることを指しているのではありません。
当面使うことのない余剰資金を銀行に預けておくことを、ここでは”お金を腐らせる”と表現しています。
現在、銀行の普通預金口座ににお金を預けておくと金利は0.001%です。
100,000円を預けておくと、1年後には1円の利息が付いて残高は100,001円になっています。
同じように10年間預けておくと、残高は100,010円になっています(源泉徴収税を考慮しないものとします)。
1年後の残高が100,001円、10年後には100,010円。
これは、果たして”増えている”と言えるのでしょうか?

でも、100,000円よりも数字は大きくなっているよね?

そう、数字自体は大きくなっているウホ。
でも、お金の”価値”を考えたときはどうなるウホ?

お金の”価値”?
10,000円は、ずっと10,000円じゃないの?

それが、そうとも言えないウホ。
一番値上がりが分かりやすいのが、自動販売機の缶コーヒー。
消費税導入前は1本100円で販売されていた缶コーヒー。
消費税3%が導入されたときに110円になり、消費税が5%になったときに120円、8%になったときには130円になりました。
消費税が導入された1989年には100円だったものが、約30年後の現在では130円。
今、0.001%の金利で100,000円を銀行に預けていたとして、30年後には100,030円。
相対的にお金の価値が下がっているのが分かりますね。

そんなのたまたまじゃないの?
昔から値上がりしていない商品だってあるよ!?
確かに、みなさんが知っている『うまい棒』というお菓子は、ずっと昔から現在に至るまで1本10円という値段をキープしています。
しかし、Wikipediaによると
「2007年秋まで内容量7〜9gで、原料費高騰による影響のため、2010年1月時点では内容量5〜6g」
となっており、お値段据え置きで内容量が減少する「実質値上げ」という手法を取っているのが実情です。
決して値上げをしていないわけではなく、企業努力によって10円という値段をキープしているに過ぎないのです。

で、結局どういうこと?

じゃあ、分かりやすいように例を出すウホ。
1個あたり7グラムで10円の商品Aがあったとすると、あなたはAを何個買うことが出来るでしょう?

Aは1個10円なんだから、1,000個買うことが出来るね!
こんなの簡単よ!

じゃあ、次の問題はどうウホ?
1個あたり7グラムで10円の商品Aがありましたが、あなたは買いませんでした。
1年後のあなたは、まだ10,000円を持っています。
Aは1個あたり6グラム10円になりました。
あなたはAを何個買うことが出来るでしょう?

えっと…
1年後もAは10円のままだから、1,000個買うことが出来るね!

正解ウホ!

全然難しくないじゃない!

じゃあ、個数でなく”グラム”で考えてみると、それぞれの問題はどうなるウホ?

最初の問題は、Aが1個あたり7グラムだから、10,000円で7,000グラム買うことが出来るのよね。

そうウホ。

次の問題はAが1個あたり6グラムだから、10,000円では6,000グラム…

!?

個数で数えると”1,000個”で同じだけど、グラムで考えると全然違う!

そうウホ!
同じ10,000円でも、買うことが出来る量が全然変わってくるウホ!

つまり、相対的に10,000円の価値が下がったということウホ!
今、スーパーの店頭に並んでいる商品の価格は一見すると変化していないようにも思えますが、内容量を減らしたり、原料を安いものに変えたりして”実質値上げ”をしている商品が多々あります。
つまり、今のご時世では”単に銀行に預けておくだけ”では、”お金を眠らせておく”どころか”腐らせ”てしまって、相対的に価値を減らしてしまうことになります。
これが”銀行に預けておくとお金が減る”ということです。
通帳の額面だけを見るのではなく、相対的な価値で判断する時代が来ているということですね!
インフレ目標の設定と口座維持手数料の導入
こういう話をすると、必ず反論する人が出てきます。

今は物価が上がっているから相対的にお金の価値が下がっているかもしれないけど、逆に物価が下がって相対的にお金の価値が上がるかもしれないダロ!

物価の上昇率よりも金利の上昇率の方が上になる日がくるかもしれないダロ!
そう、どんな事態も可能性はゼロではありません。
ただ、「物価が下がる未来」も「金利が大幅に上昇する未来」も、可能性は限りなくゼロに近いと私個人は考えています。
今、日本という国は2%のインフレ目標を達成するために様々な施策をおこなっています。
また、銀行では「口座維持手数料をとろう」という案も一部では出ているようです。
口座維持手数料とは、「お金を安全に預かってあげているんだから、その分の手数料をもらうね!」ということ。
つまり、歴史的な低金利ではなく、今度はマイナス金利になるということです。
このような時代の流れの中で、お金の価値が高まるのかと訊かれれば、私は「ノー」と答えます。
投資の役目~お金にお金を稼いでもらう
さて、この歴史的な低金利の世に生まれ育った現役世代のサラリーマンの方は、銀行に預けたお金が”お金を稼いでくる”という体験がありません。
ですから、”お金がお金を稼いでくる”ということが実感できない人の方が多いと思います。
しかし、これからは積極的に資産を運用せず、お金を銀行に預けたままでいれば”お金が減る”のは先ほど説明したとおり。

でも、”投資”をするにもまとまったお金がないと…
今の若者にはそんなお金はないよ!
なるほど、それも一理あります。
確かに、為替のFXや株式投資はある程度の資金がないと無謀な賭けに出やすくなって、結果として早期に退場することにもなりかねません。
ですが、まとまったお金がなくても出来る投資もあります。
「財形貯蓄(財形年金)」や、「iDeCo」「つみたてNISA」などの制度を利用すれば、まとまったお金がなくても資産を運用することが出来ます。
「iDeCo」については『iDeCo(イデコ)は手堅い投資!メリットとデメリットとは?』という記事で書いていますので、参考にしてみてください。

”時間”こそが、まとまったお金がない若者の武器
短期の投資では、投資対象の一時的な上昇・下降によって運用成果が大きく左右されますが、投資期間が長ければ長くなるほど振れ幅が小さくなり、収益が安定するようになります。
「財形貯蓄(財形年金)」も「iDeCo」も「つみたてNISA」も、どれもが”時間”を有効活用することで大きな利益を生むことが出来ます。
60歳になるまでに残された”時間”は、年を重ねてしまった人がどんな手段を利用しても手に入れることの出来ない若者だけの武器です。
まとまったお金がなくても、”時間”を活用するという視点を持てば資産運用の幅が広がります。
少ない元手で短期的な利益を追い求めると、ハイレバレッジの取引を行うようなハイリスクハイリターンの取引きに目を奪われがちになりますが、”時間”という資産を活用することで様々な選択肢も見えてくるのではないかと思います。
まとめ
「銀行に預けていたらお金が”減る”」という私の考えは理解してもらえましたでしょうか?
もちろん、銀行にお金を預けておくことが絶対に悪いことだとは思いません。
投資にはリスクが付きまといますので、元本割れの可能性だってあります。
ただ「銀行にお金を預けていれば大丈夫!」という考え方は前時代的な考え方で、古い考え方だということを理解していただければ幸いです。
お金の価値が下がり続けると分かったうえで、銀行に預け続けて”お金を腐らせる”のか、投資をして”お金にお金を稼いできてもらう”のか、アナタ自身の未来を選択するのはアナタです。