こんにちは! ゴリップル(@5ripple)です!
みなさんはiDeCo(イデコ)というのをご存じですか?
2017年1月から対象者が拡大されたことに伴い、割りの良い投資としてメディアでも度々紹介されているので、iDeCoという単語を目にしたり耳にしたりしたことのある人も多いでしょう。
今回は、サラリーマンなら知っておくべきiDeCoのメリットとデメリットについてお話します。
iDeCo(イデコ)とは
ご存じない方のために、簡単に説明しておきます。
iDeCo(イデコ)とは、正式には「個人型確定拠出年金」といいます。
簡単に言うと、自分で運用する年金制度ですね。
加入者が毎月一定の金額を積み立てて(掛金を拠出して)、証券会社が取り扱っている定期預金・保険・投資信託といった金融商品を選択して、自分自身で掛金を運用します。
iDeCoで積み立てたお金は、原則として60歳になるまでは引き出すことは出来ません。
iDeCoは2001年に施行された確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、当初は加入できる人は限定されていました(個人事業主など)。
しかし、2017年1月からは、基本的に20歳以上60歳未満の全ての人が加入できるようになっています。
※企業型確定拠出年金に加入している場合は、企業型年金規約で「iDeCoに同時に加入してよい」旨を定めている場合のみ、iDeCoに加入できます。
何故iDeCo(イデコ)の対象者が拡大されたのか
2017年1月より前は限られた人にしか加入が認められていなかったiDeCo。
そもそも、iDeCoに加入することが出来たのは個人事業主など。
定年後のサラリーマン等には国民年金に加えて厚生年金などの加算があるのに対し、個人事業主には国民年金しかなく、仕事を辞めてしまった後の老後の生活が立ち行かなくなることが多々ありました。
そのため、サラリーマン等の厚生年金に相当するものとして運用が開始されたのがiDeCoです。
そのiDeCoが、どうして対象者を拡大したと思いますか?

そんなのよく分かんないよ!
お金に余裕のある人だけがすればいいじゃん!

いーや、ちゃんと考えないといけないウホ!
「何故か」を考えることでiDeCoの見方が変わるウホ!
2001年にiDeCoの制度が始まってから2017年までの間に、年金の支給開始年齢は60歳から65歳に引き上げられ、支給される国民年金の金額も減額されるようになりました。
超高齢化社会が進む中で、国民年金の支給対象者は増加し続け、最近ではまた年金の支給年齢を引き上げようという議論も出ています。
つまり今は、制度としては完全に破綻している国民年金の延命措置をしている段階なのです。
心電図が「ピーッ!」と音を立てているのに、必死に電気ショックを与え、心臓マッサージをしているようなものです。
高齢者が大量にこの世からいなくなるという事態になれば国民年金制度は復活するかもしれませんが、そんな未来を予想することは非現実的すぎます。
国債の発行や株式の運用益、支給額の引下げや支給年齢の繰上げという心臓マッサージによって国民年金制度は何とか永らえていますが、心臓マッサージを止めてしまえば、その時点で”ご臨終”。
日本政府は「国民年金制度は破綻している。」等とは口が裂けても言わないでしょうが、国民年金制度の崩壊によって今後の国民(主に年金受給者)の生活が悪化するのは分かっている。
なので、iDeCoの対象者の拡大というのは「ちゃんと国民年金制度崩壊後の準備をしていてね!」という日本政府からのメッセージに他ならないと私は考えています。

ちゃんと将来を見据えてiDeCoに加入しておいた方がいいってことね。

そう!
現在、iDeCoへの加入は個人の自由になっているので、「加入してもしなくても良いけど、出来るなら加入しておいた方が良い制度」って位置付けになっているけど、個人的には「加入しなければならない制度」だと思っているウホ。
iDeCo(イデコ)のメリット
それでは、iDeCoのメリットについて説明していきます。
メリット1 節税効果が高い
なんといっても、コレ。
掛金の全額が控除の対象となります。
節税額は、次のとおり計算することが出来ます。
節税額=iDeCoの掛金×(所得税率+住民税率(10%))
所得税率は課税所得に応じて変わります。
課税所得 | 所得税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円を超え330万円以下 | 10% |
330万円を超え695万円以下 | 20% |
695万円を超え900万円以下 | 23% |
900万円を超え1,800万円以下 | 33% |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% |
4,000万円を超える | 45% |
ちなみに、課税所得というのは年収から様々な所得を控除を引いたものをいいます。
源泉徴収票をもらっている人であれば、課税所得は「給与所得控除後の金額」の部分を見ればオッケーです。
私は毎月10,000円の積立てをしていますが、その場合だと節税額はこうなります。
120,000円×(所得税率(0.2)+住民税率(0.1))=36,000円
つまり、現在の課税所得を今後も維持すると仮定すれば毎年36,000円の節税が可能ということです!
言い方を変えれば、120,000円をiDeCoの口座に預けることで毎年36,000円のキャッシュバック。
このキャッシュバックを金利と考えれば30%の金利と同等!
この記事を書いている2018年4月時点で、私のメインバンクの普通預金の金利が0.001%、10年定期預金の最も利率が良いものでも0.05%です。
金利が0.001%ということは、iDeCoの掛金と同じ120,000円を1年間銀行に預けていたとしても120円しか増えないわけです。
もはや自動販売機で缶コーヒー1本すら買えません。

そんなに違いがあるんだ!

あくまでも税金の控除額に限っての話だからね。
iDeCoでの運用益が出れば、オトク度はどんどん増すよ!
メリット2 運用期間中の利益や分配金が非課税
株などの投資の場合、配当金や売却益といった利益には20.315%の税金がかかります。
さらに言えば、実は銀行口座にある預金の利子にも同じだけの税金がかかっています(通帳を記帳したときに記載されている利子は、税額を引かれた分になります)。
先ほどの例でいうと、120,000円の預金に対する0.001%の金利で得られた120円に対して20.315%の税金がかかるということです。
つまり、銀行の金利が0.001%ならば実際に利子として手元に入るのは0.00079685%で、100円以下になるわけです。
ところが、iDeCoの場合だと運用期間中の利益や分配金が非課税になります。
損失が出ているときはもちろん、どれだけ運用益が出ても非課税!
凄いですね~。
メリット3 60歳以降の受取時の税制優遇措置
60歳を過ぎてiDeCoで拠出した掛金を受け取る際には、年金として受け取るか、一時金として受け取るかのいずれかから受け取り方法を選択することができます。
また、金融機関によっては年金と一時金を併用することもできます。
年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象となるので、これらの控除をうまく利用すれば、受取時の税金がゼロになったり、ゼロにならなかったとしても軽減されるというメリットがあります。
iDeCo(イデコ)のデメリット
ここまで聞いた話では「投資って何だか難しいイメージだったけど、iDeCoなら儲けるのは簡単じゃん!」と思うかもしれません。
投資によってリターンを得る方法は世の中にたくさんありますが、実際に私もiDeCoほど簡単な投資というのはないのではないかと思います。
しかし、iDeCoの”デメリット”とされている点もあるので、説明しておきます。
原則として60歳までは引き出せない
iDeCoで積み立てている掛金は、原則として60歳になるまでは引き出すことができません。
突然大きなお金が必要になった場合に、銀行の預金口座に預けているのであればすぐに引き出すことが出来る金額も、iDeCoの場合だと引き出すことはできません。
まぁ、iDeCoは「個人型確定拠出”年金”」ですし、国民年金も「お金が今必要だから返して!」なんてことは出来ませんからね。
「国民年金と同じように天引きされて、元々存在しなかったお金」と思っていれば、急にお金が必要になった時に「iDeCoのお金を使いたい!」という発想にはならないと思います。
ちなみに、掛金の額は年1回変更できるので「当分は子育て等で支出が増えるから掛金を少なくしておきたい。」という時にも対応できると思います(掛金の下限は5,000円ですので、月に5,000円を捻出する余裕もないならiDeCoへの加入はやめた方がいいと思います)。
また、2018年1月からは、掛金の拠出を1年の単位で考えて、加入者が年1回以上任意に決めた月にまとめて拠出できる制度も出来たので「毎月なら厳しいけど、ボーナスが入った時にまとめて払うのなら!」という人でも安心です。
口座開設費用と口座の維持費用がかかる
iDeCoを始めるに当たって、少しばかり”初期費用”と”維持費用”がかかります。
”初期費用”はiDeCoに加入する際に支払うiDeCo口座開設の費用で、2,777円かかります。
また、”維持費用”というのが毎月167円発生し、口座を開設する金融機関によっては”運営管理手数料”として毎月432円が発生することもあります。
つまり、イニシャルコストとして2,777円、毎年のランニングコストとして167円×12か月分=2,004円(金融機関によっては、さらに432円×12カ月分=5,184円)がかかるというわけです。

え!? そんなに維持費がかかるなら、損してしまうんじゃないの?

iDeCoの掛金の下限で節税額を考えてみれば、得か損かは分かるウホよ。

毎月の掛金が5,000円で所得税率が5%の人がiDeCoで積立てをした場合、税金の控除はいくらになるか分かるウホ?

節税額は掛金×(所得税率+住民税率)だから、60,000円×15%で9,000円になるね。

そうウホ!
iDeCoに加入して固定費用が一番かかるのは、口座開設費用を支払わないといけない一年目になるんだけど、その場合でも固定費用は2,777円+2,004円で4,781円しかかからないウホ。

つまり、節税額9,000円から固定費用の4,781円を引いた4,219円はプラスになっているということウホ。

毎月の掛金が増えれば増えた分だけ節税額も増えることになるから、元本が保証されている限りは損することはないウホ。

でも、金融機関によっては、固定費用がさらに5,184円増えたりもするんだよね。
そうすると、節税額をオーバーしてしまうんじゃ…。

それは、その通りウホ!
でも、毎年毎年5,184円余計にかかるのを分かっていながら、そんな金融機関で口座開設する人なんているウホ?

節税するためにiDeCoを始めるのに、目に見えた地雷を踏むような口座を開設する人はゴリップルの手には負えないウホ。
iDeCo(イデコ)の運用で気を付けるべきこと
私のメインバンクが”運営管理手数料”を取る金融機関だったので、当時最もランニングコストが低かったSBI証券でiDeCoの口座を開設し、私は運用を開始しました。
iDeCoは”投資”と言いましたが、元本保証、つまり通常の預金と同じように預けた分が保証されて減らない商品もあります。
ただし、元本保証の場合の運用益は0.001%、つまり銀行に預けているのと変わりません。
しかも固定費として毎月162円は引かれますので、10,000円の掛金を拠出しても実際に積み立てられるのは9,838円。
これじゃあ、0.001%の運用益では元本割れしてしまいます(元本割れはしますが、節税分を考慮すれば大幅にプラス収支です)。
「銀行の預金と違って好きな時にお金を引き出すことが出来ない」という点を除けば、若干の元本割れはするものの、非常に大きな節税効果が見込めるので「やらないよりはやった方が良い」のは間違いないです。
また、運用商品の組み合わせ次第で大きな運用益が見込めるのもiDeCoの特徴。
自分で運用商品を選択し、掛金でどの運用商品をどれだけ購入するかを決めることができます。
つまり、自分で決めた配分比率に基づいて運用商品が購入されることになります。
ここで、毎月10,000円の掛金を拠出し、年間120,000円の積立をしている私の例に基づいて複利の魅力について説明します。
投資信託の平均運用利益は4~6%と言われていますが、ここでは年間の利回りを3%として計算してみましょう。
毎月10,000円の積立だと年間で120,000円になるので、20年間積立てを続けると元本は2,400,000円になります。
この時、20年間ずっと運用利回りが3%あったとすると、受取時の金額は約3,300,000円。
つまり元本保証の商品を選んでいた時に比べて約90万円も増えているというわけです(もちろん、この間も節税の効果は享受することが出来ます)。
3%の利回りというと、一年間ではたったの3,600円の利益ですが、20年という時間をかけることで90万円の利益になるんですね~。

複利って凄い!

”投資”というと、投資に馴染みのない人は「大金を投入して短期間に大きく儲けること」を想像しがちウホ。
それも間違いじゃないけど、短期決戦は資金が潤沢になければリスクの高い選択肢しか出来なくなってしまうので、初心者にはオススメできないウホ。

でも、初心者であっても”時間”という武器を使うことで、リスクを抑えながらリターンを狙うことは出来るウホ。

運用年数が長ければ長いほどリターンが大きくなる”複利”は、”時間”という武器をを最大限に活用した方法なんだね。

初心者が一発逆転を狙うのは、”投資”ではなく”投機”ウホ。
初心者の私が言うのもなんだけど、初心者には初心者なりの戦い方があると思うし、運用商品を選んで時々見直すだけのiDeCoは初心者にうってつけの投資と思ウホ。
まとめ
iDeCoのメリット、デメリットについて少しは理解していただけたでしょうか?
デメリットはあるものの、それを遥かに凌駕するメリットがiDeCoにはあると思います。
運用益が得られる期待値が大きいといっても、あくまで投資ですので”絶対”はありません。
元本割れのリスクは少なからず伴いますが、今回の例で言えば36,000円の節税効果があるため、考え方によっては掛金の30%(36,000円)までの損失ならば許容範囲であるとも言えます。
運用する商品を選択するのは自分自身ですが、実際の運用を行うのは”投資のプロ”ですから、30%を超える損失を出すことは殆どないんじゃないかと個人的には考えています。
いずれにしろ、iDeCoに魅力を感じるのも、iDeCoに対して怪しいと思うのも、iDeCoに加入するのも加入しないのもアナタの自由です。
このページを見ているのは少なからずiDeCoに興味を持っている人でしょうから、この記事が閲覧者の皆様の参考になれば幸いです。

自分で納得するまで調べて、iDeCoに加入するかどうかは自分の意思で決めなきゃいけないウホ。
「投資は自己責任」というのを忘れてはいけないウホ!