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そもそも”犯罪”とは何ぞや?犯罪の成立要件などを解説

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刑法:総論

私たちは、日頃からニュースなどで「犯罪」という言葉を耳にしますが、そもそも「犯罪」とはどのような行為をいうのでしょうか?

今回は、犯罪の成立要件について解説します。

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犯罪の意義

犯罪とは、社会の共同生活上の秩序を破壊したり、侵害したりする行為をいいます。

刑法の対象となるのは、刑罰を科する価値と必要のあるものとなっています。

犯罪には、構成要件該当性、違法性、有責性の3つが備わってなければならず、これらが一つでも欠けると犯罪として成立しないこととなります。

刑法犯(自然犯)

法律で定める以前に、そもそも人として当然に許されない反社会的、反道義的な行為のことをいいます。

人として当然に許されない行為ですので、刑法には、人を殺してはならないというルール(行為規範)を規定するまでもなく、罰則の規定のみが置かれています。

行政犯(法定犯)

行政上の目的のために定められた法規を守らなかったことによって違法とされる行為をいい、行為規範を設ける必要があります。

行政犯の場合は、まず「〇〇してはならない」、「〇〇しなければならない」といったルール(行政規範)を規定し、それとは別に、そのルール違反に対する罰則が規定されます。

構成要件該当性

構成要件とは、刑罰法規に処罰すべきものとして規定された、違法かつ有責な行為を類型的にまとめた要件のことです。

構成要件に該当しない行為(たとえば浮気や不倫など)は、いかに社会的・倫理的に非難されるべきものであっても、刑法上の犯罪とはなりません。

違法性

違法性とは、構成要件に該当する行為で、国家や社会を支配する全体としての法秩序に反することをいいます。

簡単に言うと「やってはいけない」という禁止事項に該当することをいいます。

原則として、構成要件に該当する行為は「やってはいけないこと」ですので、一応違法として認定されます。

しかし、構成要件に該当する行為であっても、違法性阻却事由が認められる場合には犯罪を構成しません(例えば、外科医が患者の身体にメスを入れる行為は「人を傷害する」という傷害罪の構成要件に該当しますが、医療行為として行われる限りは、刑法第35条にいう正当業務行為として違法性が阻却されます)。

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有責性

有責性というのは、読んで字のごとく責任があるということであり、行為者個人に着目したときに、道義的な観点から非難が可能であるということです。

簡単に言うと、自分がした(する)行為が犯罪の構成要件に該当すると分かっていて、自らの意思でその行為をおこなったのであれば処罰されても仕方ないということです。

刑法上は、有責性についても責任を問えない場合がリスト化されていて(責任阻却事由)、心神喪失の場合などが責任阻却事由に当たります。

また、行為の当時、行為者が犯罪行為を避けて、適法行為をなし得たであろうと期待し得る可能性のことを期待可能性といいます。

期待可能性が欠けるとき、すなわち適法な行為を行うことを期待できないときについても責任が阻却されます。

犯罪の時系列

犯罪の構成については、時間的な観点からも捉えることができます。

例えば、人を殺すという行為は刑法第199条に規定されている殺人の罪に当たります。

「人を殺す」というのは殺人行為の結果であって、その結果に至るまでには

1 人を殺すという決意をする

2 人を殺すため、包丁を購入して下見をする

3 殺したい人が目の前に現れたので、その人に向かって襲い掛かった

4 包丁で相手を刺し殺した

という段階を踏むことになります。

上記の例で言うと、1の行為は心の中で思っただけであり、日本国で内心の自由が保障されていることからも、罪に問われることはありません。

2の犯罪の実現のための準備行為は、いわゆる予備行為であり、殺人罪や強盗罪などの一定の重要凶悪犯罪では予備行為でも処罰する旨が刑法で明記されています。

3の段階では、相手の生命を奪う危険性のある行為を開始しています。

犯罪の結果発生の危険性がある行為を実行行為といい、実行行為の開始を実行の着手といいます。

実行の着手が認められれば、結果が発生しなかったとしても未遂罪が成立することになります(未遂犯が規定されていないものを除く)。

4の段階では、死という結果が発生しています。

犯罪が予定している結果が発生すること(殺人罪においては、人が死ぬという結果が発生すること)を既遂といい、この時点で犯罪が完成することとなります。

犯罪の諸形態

法益侵害と犯罪成立の関係による分類

実質犯

侵害犯

侵害犯とは、一定の法益を侵害したことが構成要件要素とされている犯罪をいいます。

殺人罪、窃盗罪や詐欺罪など、多くの犯罪が侵害犯に分類されます。

危険犯

危険犯とは、現実に法益を侵害したことを要せず、侵害のおそれがあれば成立する犯罪をいいます。

放火の罪、通貨偽造罪、名誉毀損罪などがこれに該当します。

形式犯

犯罪が成立するためには、一定の法規に形式的に違反すれば足り、法益侵害の抽象的危険すら必要とされない犯罪のことをいいます。

道路交通法の運転免許証不携帯罪などがこれに該当します。

結果発生の形態による分類

即成犯

法益侵害、又はその危険が発生することによって、犯罪が直ちに完成し、完成と同時に終了する(既遂となる)ものをいいいます。

殺人罪、横領罪などがこれに該当します。

状態犯

法益侵害が発生することによって犯罪は終了し、既遂となる(この点では即成犯と同じである)のですが 、その後は、行為者が関与することによって法益侵害の状態が継続するものをいいます。

継続犯とは異なり、法益侵害の状態が継続しても、それは犯罪事実とは認められません。

たとえば、逃走罪は、看守者の実力支配を脱した時点で既遂となって犯罪は終了し、その後は違法状態が継続するにすぎないので、状態犯に分類されます。

継続犯

法益侵害と共に既遂となるが、その後も法益侵害が継続している間は犯罪が継続しているとされるものをいいます。

住居侵入罪、逮捕監禁罪などがこれに該当します。

なお、状態犯と異なり、行為が継続している間は犯罪が終了しませんので、行為の途中から関与した者には共犯が成立し得ますし、行為が終了しない限り公訴時効は開始しません。

挙動犯(単純行為犯)

結果の発生を必要とせず、行為者の一定の身体的動作のみが構成要件の内容となっている犯罪のことをいいます。

「宣誓して虚偽の供述をすること」で直ちに構成要件を充足する偽証罪は、これに当たります。

参考文献

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この記事を書いた人
ゴリップル

不労所得での生活を夢見るオスゴリラ。マッサージと節約が大好き。サビ残は大嫌い。職場で『ふるさと納税』『iDeCo』『つみたてNISA』の普及活動を推進。仮想通貨投資では10年先を見据えてXRP(リップル)に投資中。詳しいプロフィールはこちら

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